朝Juneauの空港を飛び立った飛行機は雨の中Anchorageへと降り立った
結局雨か...
この後の旅に対する不安を 特に天候に対する不安を胸に秘め、
次なる目的地Fairbanksへと更に飛行機で向かった
雲しか見えなかった窓の外の風景は突然大自然の風景へと変わった
Fairbanks近郊は晴れていた
広々とした大地が目の前に果てしなく続いている
そしていつの間にかこの風景を眺めていると心の中の不安は無くなっていた
風はかなり強かった
飛行機もかなり風に煽られて横や縦に揺れ続ける
しかし飛行機は問題なくFairbanksの空港へと降り立った
着陸後 飛行機の中に操縦席からの陽気な話し声がスピーカーを通し聞こえてくる
パイロットにとって 強風は日常茶飯事なのかもしれない
実は飛行機に乗った時点でも今後の行き先はしっかり決まっていなかった
ただ車の予約だけは前もって行っておいた
北へ向かうか 南へ向かうか...
しかし飛行機を降りる瞬間行き先が決まった
結局南に向かうことにした
理由は目線の向こう美しい山々が綺麗に見えたから
目的地は Talkeetna
Mt. Denali 登山の基地となることで有名な街である
Talkeetna...
記憶の中に残るその名前の響きが妙に気になっていた
この場所に行ってみたいという気持ちがなぜ生まれたのはよく分からない
ただひたすらにレンタカーでGeorge Parks Highwayを南へ向かった
詳しい地図も持たず Talkeetna までの距離さえ知らないままのドライブであった
本当にただひたすら走っていた
４時間くらい走った頃だろうか
Denali National Park 近くを走っているとだんだん雲行きが怪しくなり
そして視界が見えないくらいの大雨に見舞われた
しかし走っても走っても道路標識に"TALKEETNA"という文字は一向に現れない
はっきり言って自分の現在地がどこかすら分からなかった
一つの街を過ぎると100キロくらい走らないと次の街へたどり着かない
心の中には常に不安でいっぱいだった
道があっていることを信じさらにひたすら走る
そして走ることさらに約２時間 Talkeetna への入り口、Talkeetna Road 分岐点にたどり着き
ようやく自分の進んできた道が正しかったことを確信した
Talkeetna はもう目の前
雨も徐々に止んでゆき 念願の街の中へと入って行ったが すでに全ての店が閉まっていた
特に行く当ても無く 何も考えずにゆっくり街の中を車で走る
泊まる先も決めず 何も予定を考えていなかった
車はいつの間にか町外れに進み 何もない森の中へと入っていった
その時 そんな予想もしなかった場所に一軒の宿が現れた
とりあえず入ってみよう
その宿の入り口に車を止め 中にいた人達に尋ねてみた
今日こちらに泊まりたいのですが...
すると意外な答えが返ってきた
"ちょうど良かった 君でちょうど一杯だよ
ベッドの割り振りを今してるところだから荷物を持って入って来なよ"
非常にタイミングが良かったようである
なかなか宿の居心地も良さそうだ
壁にはお釈迦様のような絵が貼ってある
お釈迦様？
想像もつかない場所にあったその不思議な絵に ついつい見取れてしまった
しばらくすると宿のオーナーさんが犬を連れて帰ってきた
オーナーさんは女性、お供の犬は救助犬とのこと
かなり疲れていたので彼女と犬に挨拶をしてこの日は休むことにした
庭には多くの犬たちが身体を休めている
冬には犬ぞり犬として活躍するらしい
夕方５時前にFairbanksを出発し、この宿にたどり着いた時にはまもなく日付が変わろうとしていた
この日もずいぶん長い一日であった
次の日の朝 久々にゆっくりとした時間を過ごすことができた
チェックアウトは１１時
それまでの時間 宿の掃除のお手伝いをしたり犬たちと遊んだり近くを散歩したりして過ごす
旅の中でもゆっくりとした時間は必要だ
そしてチェックアウトの時間とともに宿の人達に別れを告げ Talkeetna の街の散策へ出かけた
Talkeetna の街は非常に美しい街である
天気があまり良くないにもか関わらず 多くの観光客が街に溢れていた
彼らの目的は何なのか よくは分からなかったが 街はただただ美しかった
だが 晴れた日は もっとこの街は輝くという
散策中 立ち寄ったお土産屋に晴れた日にTalkeetnaから見えたMt.Denaliの写真が飾ってあった
それは本当に美しかった
目の前の雲の向こうにそんな雄大な風景があると想像するだけで胸が躍らされる
そしてアラスカに来て初めてサーモンを食べた
魚の中ではサーモンが一番好きという僕にとって この時間は本当に幸せなひとときであった
次は取れたてのサーモンが食べてみたいなぁ
欲はどんどん出てくるもの
そんな中 スーパーで食材を調達した後 ゆっくりとFairbanks へ戻ることにした
出発した時間は昼の２時
果たしてFairbanksへはいつたどり着くやら...
to be continued...
